世界最大規模の産業見本市、ハノーバーメッセ。
出展には最低でも300万円〜、内容次第では1,000万円以上の投資が必要になります。
せっかくの出展を実績作りで終わらせず、しっかりと商談につなげるために、
押さえておきたいポイントをまとめました。
ハノーバーメッセ(Hannover Messe)は、4月頃に毎年ドイツで開催される、世界最大の技術展示会です。
単一テーマではなく、複数の大規模展示会が同時に一つの会場で開かれるのが大きな特徴です。
製造業の未来に関わる技術が一堂に集まります。
工場の自動化、ロボティクス
AI・DX・デジタルソリューション
持続可能なエネルギー技術
スマートファクトリー関連 など
世界から6,000社以上が出展し、日本企業も最先端の技術発表の場として活用しています。
ハノーバーメッセに来るのは、決裁権のある担当者が中心です。
技術部門トップ(R&D)
購買責任者
工場ラインの意思決定者
いわゆる情報収集層ではなく、具体的な課題を解決したい人ばかりです。
そのため、ブースでの商談は深く、実際の案件に近い話が多くなります。
人気エリアはすぐ埋まります。
出展を検討し始めたら 開催の約1年前(12か月前) を目安に申し込みを進めるのがおすすめです。
標準的な12㎡(3m×4m)のブースで、最小限の準備をしても 約300万円〜 が目安です。
費用割合のイメージは以下の通りです。
ブース場所代:25%
施工・装飾費:40%
輸送・必須経費:15%
渡航・人件費:20%
300万円〜1,000万円の投資を確実に回収できる投資へ変えるためには、
ブースづくりの方向性が重要です。
① デザインは「派手さ」より利益の可視化
大きな数字や、課題解決の事例グラフなど、
来場者が一目で価値を理解できる表現が効果的です。
② 製品配置はメリハリを
製品は通路側に配置し、手前でデモをしやすい空間を作ることが効果的です。
③ 通訳者への投資は必須
ハノーバーメッセは専門性の高い商談が中心です。
通訳者の質が、商談の精度を左右します。
製品そのものを並べるより、
「この技術でどんな利益を生むのか」 を説明できる空間が、技術者の足を止めます。
ドイツの技術者は論理と成果を重視します。
最初のひと言は、
「この技術で御社の生産コストが〇%改善できます」
とビジターの利益(結論)から提示するのがおすすめです。
また、足を止める際は、
「当社クライアントの生産部門の生産コストを20%削減した実績があるのですが、
御社にマッチするかこちらの製品を少しみていただけますか?」
と、具体的な数字と誘導での問いかけが効果的です。
プロの通訳者は、商談を前進させるもう一人の営業担当です。
会期前の情報共有(製品特徴・競合・商談のゴール)が、成約率に直結します。
ハノーバーメッセで成果を得るには、展示会の特性を理解し、
投資のポイントと商談戦略をしっかり設計することが欠かせません。
準備を丁寧に進めることで、出展費用は確実に回収でき、未来への良い投資となります。