海外進出の第一歩!展示会を「市場調査の場」として使い倒す3つの準備

2025.11.03 10:24

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海外展開を検討されている皆さん、こんにちは。

展示会は、製品を売る場所というだけでなく、市場のリアルを知るための最適な場所です。
しかし、ただ出展するだけでは、高い費用と時間に見合った成果は得られません。

今回は、海外進出を成功させるために、展示会を「市場調査の場」として活用するための
具体的な3つの準備と活用術をご紹介します。

準備その①:「聞きたいことリスト」を最優先で作る

製品のプレゼン準備より先に、欧州市場で聞きたいことを明確にしましょう。
これが、展示会での行動を決定づけます。

■ 質問で探る「真のニーズ」と「価格感」

欧州の来場者は、曖昧な質問には答えません。
御社の製品を売るためではなく、御社の製品が欧州で売れるかを確認するために、
具体的な質問を用意しましょう。

  • NGな質問: 「この製品、いいと思いますか?」

  • OKな質問例:

    • 「この機能は、御社の工場でどの課題を解決できそうですか?」

    • 「現在、同様の製品にどれくらいの予算を割いていますか?」

    • 「〇〇という機能があれば、競合品から切り替えを検討できますか?」

【活用術】 可能であれば事前にバイヤー、ディストリビューター、エンドユーザー、ごとに質問リストを作成し、
参加する社員間で共有しておくのがベストです。
これにより、ブースに立つ全員が「情報収集員」として機能します。

準備その②:競合の「ブース」と「カタログ」で業界ごと把握する

欧州の主要な競合企業は、必ずその展示会に出展しています。
彼らのブースは、最適な市場分析の資料になります。

■ 潜入調査:「価格戦略」と「流通経路」を探る

競合のブースへの訪問は勇気がいりますが、海外展開の重要な一歩です。

  • ブース配置の確認:
    競合企業がどのホール、どの位置にブースを構えているかを確認しましょう。
    出展場所は市場での評価や自信を表しています。

  • 価格戦略の探り方:
    営業担当者と商談する際、「この製品は欧州でいくらくらいで販売されていますか?」
    とディストリビューターのフリをして尋ねてみます。
    競合の価格レンジを知ることは、自社の販売戦略のヒントになりえます。

  • 流通の確認:
    どの国からのバイヤーと多く話しているか、現地法人が出展しているか、
    流通の仕組みを把握しましょう。

【活用術】 競合企業の製品の特徴、推定価格、ブースの印象などをメモし、
帰国後の分析に役立てましょう。

準備その③:理想のビジネスパートナーの条件を作る

海外進出の成功は、「現地で誰と組むか」で決まります。
展示会は、潜在的なビジネスパートナーと出会う良い機会となります。

■ ビジネスパートナーに求める条件を明確にする

担当者が「いい人そうだから」で決めるのではなく、
事前にビジネスパーナーに求める具体的な条件を決めておきましょう。

  • NGな条件: 「やる気がある」「誠実である」

  • OKな条件例:

    • 自社製品とターゲット層が同じ、既存の顧客ベースを持っているか?」

    • サポート体制を独自に持っているか?」

    • 「ミニマムコミットの合意が必要か?」

【活用術】 ブースに来たディストリビューター候補とは、事前に作成したチェックリストに基づいて会話を進めましょう。
具体的な数字体制について質問することで、相手の本気度や会社としての信頼性を見極めることができます。

展示会は、製品を売る場であると同時に、御社のビジネスを成功させるための生きた市場調査です。
準備と活用術を実践し、海外進出の確かな足がかりを築いてもらえたら幸いです。

著者

Tu.sk Europe GmbH

タスクヨーロッパは、ドイツを拠点に、日本の企業が海外展示会に安心して出展できるようお手伝いしている会社です。企画から申請、ブースの設営までトータルでサポートし、ヨーロッパを中心に世界各地で実績を重ねています。