海外展開を検討されている皆さん、こんにちは。
展示会は、製品を売る場所というだけでなく、市場のリアルを知るための最適な場所です。
しかし、ただ出展するだけでは、高い費用と時間に見合った成果は得られません。
今回は、海外進出を成功させるために、展示会を「市場調査の場」として活用するための
具体的な3つの準備と活用術をご紹介します。
製品のプレゼン準備より先に、欧州市場で聞きたいことを明確にしましょう。
これが、展示会での行動を決定づけます。
欧州の来場者は、曖昧な質問には答えません。
御社の製品を売るためではなく、御社の製品が欧州で売れるかを確認するために、
具体的な質問を用意しましょう。
NGな質問: 「この製品、いいと思いますか?」
OKな質問例:
「この機能は、御社の工場でどの課題を解決できそうですか?」
「現在、同様の製品にどれくらいの予算を割いていますか?」
「〇〇という機能があれば、競合品から切り替えを検討できますか?」
【活用術】 可能であれば事前にバイヤー、ディストリビューター、エンドユーザー、ごとに質問リストを作成し、
参加する社員間で共有しておくのがベストです。
これにより、ブースに立つ全員が「情報収集員」として機能します。
欧州の主要な競合企業は、必ずその展示会に出展しています。
彼らのブースは、最適な市場分析の資料になります。
競合のブースへの訪問は勇気がいりますが、海外展開の重要な一歩です。
ブース配置の確認:
競合企業がどのホール、どの位置にブースを構えているかを確認しましょう。
出展場所は市場での評価や自信を表しています。
価格戦略の探り方:
営業担当者と商談する際、「この製品は欧州でいくらくらいで販売されていますか?」
とディストリビューターのフリをして尋ねてみます。
競合の価格レンジを知ることは、自社の販売戦略のヒントになりえます。
流通の確認:
どの国からのバイヤーと多く話しているか、現地法人が出展しているか、
流通の仕組みを把握しましょう。
【活用術】 競合企業の製品の特徴、推定価格、ブースの印象などをメモし、
帰国後の分析に役立てましょう。
海外進出の成功は、「現地で誰と組むか」で決まります。
展示会は、潜在的なビジネスパートナーと出会う良い機会となります。
担当者が「いい人そうだから」で決めるのではなく、
事前にビジネスパーナーに求める具体的な条件を決めておきましょう。
NGな条件: 「やる気がある」「誠実である」
OKな条件例:
「自社製品とターゲット層が同じ、既存の顧客ベースを持っているか?」
「サポート体制を独自に持っているか?」
「ミニマムコミットの合意が必要か?」
【活用術】 ブースに来たディストリビューター候補とは、事前に作成したチェックリストに基づいて会話を進めましょう。
具体的な数字や体制について質問することで、相手の本気度や会社としての信頼性を見極めることができます。
展示会は、製品を売る場であると同時に、御社のビジネスを成功させるための生きた市場調査です。
準備と活用術を実践し、海外進出の確かな足がかりを築いてもらえたら幸いです。