【海外出展の成功は現地業者にあり】現地パートナー選定の3つの鉄則

2025.11.01 17:17

【海外出展の成功は現地業者にあり】現地パートナー選定の3つの鉄則の画像

現地パートナー選定の3つの鉄則

展示会の成否は「何を見せるか」だけでなく、誰と組むかで大きく左右されます。
欧州は国ごとに規制や商習慣が異なるため、出展を決めた直後に現地パートナーの選定と確認を急ぐことが成功の鍵です。

今回は、すぐ使える要点とチェックリストをまとめました。

1. フォワーダー(輸送業者)
国境越えは最大のリスクポイント 

ポイント:輸送での遅延や通関トラブルは、展示機会そのものを失います。
コストだけでなく「実績」と「対応力」を最優先に選びましょう。

確認すべき項目

  • 展示会向けの通関実績(国名・会場名)を提示できるか

  • ATAカルネや必要書類の作成支援が可能か

  • 現地に拠点/提携オフィスがあり、緊急対応ができる体制か(連絡先・対応時間)

  • 遅延時の代替輸送(空輸・別ルート)や保管対応があるか、追加費用の目安は?

  • 保険の適用範囲と補償上限を明確にしているか

アドバイス

  • 最安値ではなく「確実に届く」業者を選ぶ。
    重要案件はSLA(納期保証/遅延対応)を契約書に盛り込む。

2. ブース施工業者
安心かつ現地事情に強いに専門家を選ぶ 

ポイント:現地の建築・消防・会場ルールは事情に厳格です。
デザイン図面通りの施工をすると違反の可能性がありますので、法規クリア実績は必須です。

確認すべき項目

  • 会場/国別に法規制(難燃性、構造、安全基準等)をクリアした実績があるか

  • 使用素材について現地基準(EN規格等)の難燃証明書を提示できるか

  • 図面の事前レビュー、構造計算、現地検査への対応経験があるか

  • 複数国・複数会場での施工実績(写真やリファレンス)があるか

  • 納期/搬入時間の管理、当日対応スタッフの配置が可能か

アドバイス

  • 図面を早めに提出し、施工業者に法規面のチェックを依頼。
    必要なら代替素材・構造案を提示してもらいましょう。

3. 通訳(コンパニオン)
言葉だけでなく現地の慣習がわかる人を 

ポイント:欧州は多言語かつ国ごとに商談スタイルが異なります。
専門知識と文化的理解を持った通訳(コンパニオン)が集客や商談率を上げてくれます。

確認すべき項目

  • 製品分野の専門用語を理解しているか(事前テストやサンプル通訳で確認)

  • 商談の進め方を共有しているか

  • 必要言語(例:英語+ドイツ語/フランス語)に対応できるか

  • ロールプレイや事前ブリーフィングに参加してもらえるか

  • 現地ネットワークがあるとさらに有利(潜在顧客紹介やパートナー企業の紹介など)

アドバイス

  • 通訳者のコストは安くはないですが、契約のための投資という考え方が大切です。
    交渉裏側の文化的ニュアンスを理解できる人を選ぶことで、契約の確度が高まります。

出展直後にやるべき、優先アクション

  1. 輸送業者と、スケジュールと連絡先を確定。追跡方法を共有。

  2. 施工業者を選定し、法規チェックと会場への申請類を依頼。

  3. 通訳と商談用用語集・提案資料のブリーフィングを実施。

  4. 緊急連絡網(輸送・施工・会場担当・保険窓口)をまとめておく。

  5. 万が一の代替案(遅延やトラブル時のフロー)を検討しておく。

ヨーロッパでの展示会は、当日のブースや製品だけでなく、
準備段階でのパートナー選びが大きなカギになります。

信頼できるフォワーダー、現地の法規に詳しい施工業者、
現地慣習を理解する人材がしっかり連携できていれば、現地での不安要素を最小限にし、
商談に集中できる環境をつくることができます。

欧州出展は単に製品を見せる場ではなく、現地での信頼関係を築く場でもあります。
そのためにも、「誰と組むか」を意識した準備が大切です。

著者

Tu.sk Europe GmbH

タスクヨーロッパは、ドイツを拠点に、日本の企業が海外展示会に安心して出展できるようお手伝いしている会社です。企画から申請、ブースの設営までトータルでサポートし、ヨーロッパを中心に世界各地で実績を重ねています。