展示会の成否は「何を見せるか」だけでなく、誰と組むかで大きく左右されます。
欧州は国ごとに規制や商習慣が異なるため、出展を決めた直後に現地パートナーの選定と確認を急ぐことが成功の鍵です。
今回は、すぐ使える要点とチェックリストをまとめました。
ポイント:輸送での遅延や通関トラブルは、展示機会そのものを失います。
コストだけでなく「実績」と「対応力」を最優先に選びましょう。
確認すべき項目
展示会向けの通関実績(国名・会場名)を提示できるか
ATAカルネや必要書類の作成支援が可能か
現地に拠点/提携オフィスがあり、緊急対応ができる体制か(連絡先・対応時間)
遅延時の代替輸送(空輸・別ルート)や保管対応があるか、追加費用の目安は?
保険の適用範囲と補償上限を明確にしているか
アドバイス
最安値ではなく「確実に届く」業者を選ぶ。
重要案件はSLA(納期保証/遅延対応)を契約書に盛り込む。
ポイント:現地の建築・消防・会場ルールは事情に厳格です。
デザイン図面通りの施工をすると違反の可能性がありますので、法規クリア実績は必須です。
確認すべき項目
会場/国別に法規制(難燃性、構造、安全基準等)をクリアした実績があるか
使用素材について現地基準(EN規格等)の難燃証明書を提示できるか
図面の事前レビュー、構造計算、現地検査への対応経験があるか
複数国・複数会場での施工実績(写真やリファレンス)があるか
納期/搬入時間の管理、当日対応スタッフの配置が可能か
アドバイス
図面を早めに提出し、施工業者に法規面のチェックを依頼。
必要なら代替素材・構造案を提示してもらいましょう。
ポイント:欧州は多言語かつ国ごとに商談スタイルが異なります。
専門知識と文化的理解を持った通訳(コンパニオン)が集客や商談率を上げてくれます。
確認すべき項目
製品分野の専門用語を理解しているか(事前テストやサンプル通訳で確認)
商談の進め方を共有しているか
必要言語(例:英語+ドイツ語/フランス語)に対応できるか
ロールプレイや事前ブリーフィングに参加してもらえるか
現地ネットワークがあるとさらに有利(潜在顧客紹介やパートナー企業の紹介など)
アドバイス
通訳者のコストは安くはないですが、契約のための投資という考え方が大切です。
交渉裏側の文化的ニュアンスを理解できる人を選ぶことで、契約の確度が高まります。
輸送業者と、スケジュールと連絡先を確定。追跡方法を共有。
施工業者を選定し、法規チェックと会場への申請類を依頼。
通訳と商談用用語集・提案資料のブリーフィングを実施。
緊急連絡網(輸送・施工・会場担当・保険窓口)をまとめておく。
万が一の代替案(遅延やトラブル時のフロー)を検討しておく。
ヨーロッパでの展示会は、当日のブースや製品だけでなく、
準備段階でのパートナー選びが大きなカギになります。
信頼できるフォワーダー、現地の法規に詳しい施工業者、
現地慣習を理解する人材がしっかり連携できていれば、現地での不安要素を最小限にし、
商談に集中できる環境をつくることができます。
欧州出展は単に製品を見せる場ではなく、現地での信頼関係を築く場でもあります。
そのためにも、「誰と組むか」を意識した準備が大切です。