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海外展示会では、どのようなブースが集客に繋がっているのでしょうか。単に洗練されたブースなのか、かっこいいインパクトのあるブースでしょうか。ドイツを拠点に、毎年世界で多くの展示会ブースを手掛ける弊社が経験として分かった、集客できるブースの共通点をを解説します。
まず初めに、集客できるブースはポイントが既に決まっています。
1、 メイン通りに面し、規模が大きいブース
2、 現地ブランド力と、製品力があるブース
3、 ビジターの目を引く、目立つブース
このポイントを押さえたブースは、集客ができるブースで間違いありません。
しかし上記のように大きなスペースを確保できる予算があり、既にブランド力もある企業は多くありません。この章では、小規模なブースかつ海外での認知度がまだ低い企業が、展示会で集客するための方法を解説していきます。
海外展示会に出展する際、出展ブースの位置は細かく決めることができないことが多いです。しかし、ブースサイズとオープン面は希望できる展示会も多くあります。とにかく出展することが最優先で、出展価格は安く、価格を抑えるためにブースサイズはなるべく小さく申請してしまう企業様もよくおられます。
出展の目的が現地視察や、既に商談が決まっている場合はこの方法がベストかもしれません。しかし、海外での拡販を狙った集客が目的の場合は、ブースサイズとオープン面は慎重に決定しなければなりません。
基本的に展示会に足を運ぶビジターは、会場内を歩いています。そのためブースサイズが小さく、1面オープンのブースは、ビジターが製品を見れる時間が少なく、さらに開放的でないブースは自然とブース内に入りづらい印象を与えてしまいます。
そのため、現地ブランド認知度がまだ高くない企業は、歩いているビジターに、いかに自社製品とブランドを見てもらう時間を長くするかが重要になってきます。初出展の場合でも、ブースサイズは最低でも20m2以上、オープン面は2面以上開放したブースを申請しましょう。
海外では多くの企業がブースデザインに力をいれています。では、かっこいいブースデザイン、インパクトのあるブースは多くの集客を期待できるのでしょうか。海外展示会に出展すると決まり、集客を意識するとき、まず力をいれるのがブースのデザインや製品の見せ方だと思います。「製品をより多くのビジターに見てもらうには、かっこいいブースデザインにしなければ」と考える企業も多いでしょう。
海外企業の中には、多額の予算を投入し、かっこいいブースデザインを作成する目的は、契約に結びつけるというだけでなく、ブランド価値、ブランドイメージの向上という企業も多くあります。特に継続して出展している企業はその傾向が強い印象です。継続して出展している企業は、特に海外の大手企業などは、展示会において集客を一番の目的としていないことも多々あります。
つまり、ブースデザインとは外側を彩っているだけですので、重要なポイントには間違いないですが、単にデザインをかっこよく、インパクトのあるブースにしても、集客に繋がるとは限らないということです。
洗練されたデザイン、かっこいいデザインだけに拘るのはなく、総合的な視点で集客を考えていくことが重要になります。
ここで展示会の集客の入り口について少し分解して考えてみましょう。展示会を訪問するビジターにとって、立ち止まるブースとはどのようなブースでしょうか。
集客には主に3つの入り口があると考えています。
① ブランドの認知 → 「この企業知っている。何を展示しているんだろう。」
② デザインの認知 → 「このブースデザインかっこいいな。何の企業だろう。」
③ 製品の認知 → 「この製品いいなぁ。気になるから少し見てみよう。」
まず、①に該当する企業は、大企業や海外でもある程度ブランド力が高い企業ですので、ブースデザインや製品訴求力が多少弱かったとしても集客は可能です。有名企業でいうと、モーターショーに出展した米テスラや、スポーツイベントに出展するアディダスなどは、ブランド名だけでもある程度の集客はできてしまいます。
では②はどうでしょうか。海外でのブランド認知度がまだ高くない企業にとって、デザインがかっこいいブースで集客を狙うことは間違っていませんが、上記の②しか該当しないことになります。「かっこいい」の基準はビジターによって異なりますし、いくらかっこいいブースを作成しても他社との差別化がされていないブースだと会場内で埋もれてしまい、訪問者にとっては「他社と変わらないブース」ということになってしまいます。
ブランド認知力が低くても集客につながるブースにするためには、上記②と③を上手く組み合わせた仕掛けを作ることが必要になります。
印象的なブース内音響、タブレット端末を使用した製品体験、VRなどを使った体験型ブースはどうでしょうか。このようなブースは集客率が非常に高く、ブランド認知度を向上させる効果を期待できます。注意点としては、物珍しさで集まっている人も多く、実際の商談につながらないケースもあるということです。
しかし、多くの予算をかけて展示会に出展するのですから、まずは集客をしてターゲット数を増やす、そして自社ブランドの認知度を高める目的の企業にとっては、非常に有効な方法になるでしょう。
さらに、ブース内で実際に体験を提供することは、訪問者に特別な経験を与えることできますので、訪問者の記憶にも残りやすく、出展後のフォローアップ、契約にも繋がりやすい傾向があります。
製品を展示台上やショーケース並べている企業が多い中で、デモスペースを設けることは他社と差をつけるポイントになります。
まず1つ目のメリットとしては、製品デモをしているブースは少なく、会場内での差別化ができるという点です。そして2つ目が、製品の使用方法を実際に見せ、使用感を体験してもらえるという点です。
使用方法や使用感を体験させることで、競合他社に比べビジターとの距離がぐっと近くなり、商談に繋がる可能性を格段に上げることができます。
弊社がおすすめしているのは、上記の体験型ブースと、デモスペースを組み合わせた方法です。体験型ブースで、まずは多くのビジターと潜在顧客を集客をすること。そしてデモを活用して自社製品の使用方法やメリット、他社との違いを視覚と体験でアピールするということです。
海外出展で忘れてはならない非常に重要な点が、現地に合わせた出展をするということです。現地に沿わない製品展示、ブース装飾であれば、いくら予算をかけても集客はできません。フランスと中国では製品展示方法、ブース施工装飾、パネル展示まで、集客を目的とした方法が全く異なり、結果も当然変わってきます。
以前あるお客様から、「ドイツの展示会で成功したブースを、そのままの形で中国で出展したが、中国の展示会ではドイツの半分も集客ができなかった。」とフィードバックがありました。中国では別の施工会社様に依頼をされておりましたが、失敗した原因は現地訪問者の視点に合わせたブース作り、製品訴求ができていなかったことだろう、ということでした。
下の写真は欧州展示会に出展した際、多くの集客に成功したブースです。この企業は現地での認知度も高くなく、予算も限られていました。しかし、製品にマッチしたブースデザイン、体験の提供、現地ローカライズに注力し、多くの集客に成功した一例です。
上記のように集客を作るための分析と戦略を使った仕掛けを考えていくことで、集客率はどんどん上がっていきます。上で解説しな内容をまとめると以下の4つの項目となります。これらを総合的に考慮し、最適なブース展開をしていく必要があります。
1、ブース位置とオープン面
2、ブランド力を維持するブースデザイン
3、体験を提供できるデモスペース
4、現地ローカライズ
弊社はドイツのイベント会社で、世界の都市で多数運営実績がございます。日系企業様にも海外で勝てるブース企画〜現地設営をいたします。まずはご挨拶を兼ねたオンラインミーティングを10分程度させていただきますので、コンタクトページよりお気軽にご連絡くださいませ。
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Article by Tusk Europe Team