海外展示会は、企業にとって新たなビジネスチャンスを創出する絶好の場です。しかし、実際には多くの日本企業が十分な成果を得られず、期待を裏切られることがあります。本記事では、日本企業が海外展示会で失敗する典型的なパターンと、その改善策について解説します。
1. 準備不足による失敗
1.1 明確な目的設定の欠如
多くの企業が「新規顧客獲得」や「ブランド認知度向上」といった漠然とした目的で出展しますが、具体的な数値目標やターゲットがないと、効果測定が難しくなります。
具体策:
- 具体的なKPI(例: 100件の名刺交換、30件の商談設定、10件の成約)を設定する。
- 出展の目的を「新規市場調査」「特定地域の代理店開拓」など、より具体的に絞り込む。
1.2 資料や展示物の不備
展示会での資料が日本語になっている、あるいは現地の文化に合わない内容だと、もちろん来場者に内容は伝わりません。
具体策:
- 英語や現地語でのパンフレットやプレゼン資料を用意する。
- 文化や商習慣に合わせた表現やデザインを採用する。
2. ブースデザインや接客の失敗
2.1 地味なブースデザイン
海外展示会では、ブランドのある企業でない限りは、集客するためには目立つ製品演出やインパクトのあるデザインが求められます。
具体策:
- 遠くからでも目立つカラーや大きなロゴを使用する。
- 製品のデモンストレーションや体験型コンテンツを用意する。
2.2 積極的でない接客対応
海外の展示会では、来場者に積極的に話しかけるスタイルが主流です。せっかく大きな投資をして出展したにも関わらず「待ちの状態」ですと、機会損失につながります。
実行案:
- まずは「Hello!」と声をかけ、来場者に足を止めてもらう。
- 教育を受けたスタッフを配置し、製品の魅力を簡潔に伝える練習をする。
3. 言語や文化的な壁に関する失敗
3.1 言語対応の不備
英語や現地語を話せるスタッフがいない場合、商談が進まないことがあります。
改善策:
- 通訳を雇う、もしくはバイリンガルスタッフを準備する。
- 製品説明資料や名刺も現地語版を用意する。
3.2 文化や商習慣の違いを理解していない
欧州では「契約には時間がかかる」ことが一般的ですが、即時の成果を期待しすぎると失望に繋がることがあります。
具体策:
- 事前に現地の商習慣や文化を調査する。
- 長期的な関係構築を意識した商談スタイルを心がける。
4. フォローアップ不足による失敗
展示会で集めた名刺やリードを活かせていない企業も少なくありません。
具体策:
- 展示会終了後、1週間以内にお礼メールを送信する。
- 定期的にニュースレターを配信するなど、関係を維持するための施策を講じる。
5. まとめ
日本企業が海外展示会で失敗する原因には、準備不足、ブースデザインの問題、接客対応の消極性、文化の違いへの理解不足、フォローアップ不足などが挙げられます。しかし、これらの課題は事前準備や工夫によって改善可能です。しっかりと準備をし是非有意義な出展にしてくださいね。